肉が行って魚が来る  ຊີ້ນໄປ ປາມາ

紆余曲折の人生をストレートに表現しています。

ラオスの国家公務員を取り巻く環境

ラオス国立大学で過ごした学生時代の友達が現地で国家公務員の仕事に就いているのですが、その人から連絡が来てお金を貸して欲しいと懇願されました。

結論からいうと、絶対にお金を貸しません。
いちいち返事はせずに放置しています。


今日はラオスの国家公務員を取り巻く環境について綴っていきます。

私は2010年から2015年までの5年間ほどラオスに滞在していました。

基本的には大学で一緒に勉強し、苦楽を共にした仲間が大勢います。

彼ら・彼女らと時間を共有する中で文化や考え方の違いに大きく戸惑ったことが数え切れないほどあるのですが、驚いたのは国家公務員の仕事についてでした。

ラオスの場合は国家公務員になるには一次試験と二次試験に合格することが条件となります。

一次試験は筆記試験です。

基礎教養の確認と進みたい分野についての内容が出題されます。

ここで多くの人たちが篩(ふるい)にかけられ、試験の結果が悪ければ落とされてしまいます。

合格すれば二次試験に進みます。
ここでまた多くの人が高い壁を突破しなくてはなりません。

明文化はされていないものの、人事担当者に袖の下を渡すことが本来の二次試験となります。

全ては書類に合格のハンコを打つ人事担当者の気分次第ということですので、
袖の下を渡さないと合格にならない・・・というのが現状で

どうしてもその仕事に就きたいという人は、家族や親族などから借金をしてでもお金の工面をして払います。

ラオス人は特に身内を大切にする傾向があるため、なぜか人事担当者の家族、親族が何人も同じ省庁で働いているということはよくあります。

袖の下文化が横行していること、なぜか身内が優遇される職場環境など、
日本だとありえないことが日常茶飯事のように起きていました。

問題はこれだけにとどまらず

袖の下を渡して、採用されたとしても
最初の何年間はどれだけ働いても給料が出ないというのが現状です。

そこを我慢して何年かが経過して、ようやく給料がもらえる身分になったところで
それでも毎月きちんともらえることはあまりなくて、なぜか遅配が多かったりします。

実際に毎月、きちんと給料が出るような身分になるまでには
とても長くの時間がかかるようです。

私の友達もこの下積みの期間中ですので、晴れて国家公務員になれたとしてもまだ給料を手にできる身分ではなく、生活に困ってこちらに連絡をしてきたのです。

いつになったら給料がもらえるのか分からないと言っている人に、
お金を貸したら踏み倒されるだけですので私は貸しません。

ここで、ひとつの疑問が湧きます。

「給料がもらえないなら、そんなところなんか辞めて民間の会社に就職すればいいじゃん?」

最初の頃はそのように思っていました。

でも、彼らは決して投げ出さないのです。

これには理由があると分かりました。

国家公務員になって定年まで勤め上げた人を対象に、一定の功績が認められた場合は国から土地が支給されることから、このような国家公務員信仰のような文化が根付いているということを知り、心底驚きました。

100%支給するだなんてどこにも書かれていないのに不文律が存在していたのです。



現地の法律では個人が土地を所有することはできないことになっています。

たまに勘違いをした外国人がいますが、基本的には外国人でどんなにお金があっても、ラオスの土地に外国人名義での登記はできないことになっています。

外国人にできることはせいぜいラオス人の大家さんに家賃を払って物件を借りることくらいでしょう。

国の進歩発展に対する貢献度が認められたごく一部の外国人は許可が下りる場合があるのかも知れませんが、それは極めて稀なケースだと言えるでしょうし、一般人の身分でそのようになるのは難しいと思います。

あくまで土地に関しては、国家が所有権を握っているということです。

人によりけりですが、

土地を使っていいですよという証明書は大きく分類すると二種類あって、

青い証明書は有効期限が最大30年まで。(更新はできない)

金色の証明書は有効期限が最大90年まで。(何回でも有効期限を更新することができる)
ということは、金色の証明書を持っている人は現在の社会主義の体制が続くかぎり更新していけば未来永劫その土地を使ってもいいですよ・・・ということになります。

国家公務員になって一定の功績を残して定年まで勤めれば、
金色の証明書がついた土地を支給されるため、

彼ら・彼女らは若いうちは給料が出なくてもいいから、家族や親戚で固まって住居を共有して助け合いながら遠い将来に土地が支給されることを願って頑張って働くんだと、そのための国家公務員信仰なんだということが分かりました。

民間の会社で働けば、すぐに給料はもらえるものの、定年まで働いたところで
さすがに金色の証明書がついた土地を支給されることはないので、
そこは割りきらないといけないと言っていました。

もしもラオスの国家公務員の方と外国人が国際結婚した場合、
結婚はできますが、ラオス人の方は仕事で昇級・昇進できる職位に限りがあって
ある程度から上には進めないそうです。

共産党一党独裁で政権を取っている社会主義国家の厳しさゆえなのでしょう。

どこかの国みたく、
訳の分からない外国人に対して、
参政権を与えようなんて議論があったり、
お金があれば土地の取得ができるようになったり、払ってもいない年金を支給したり、
犯罪を犯しても報道すら規制されたり、本名ではなく、通名だけとか

国籍がはっきりしない状態なのにどこかの政党の党首になるだなんて

ラオス滞在を経験した自分にとってはそちらの方が本当にありえないと思います。

一体、どこの国のことなんですかね??

ラオスに行く前は社会主義の国に対しては皆が平等だという認識を持っていました。

ところが現地で5年暮らしてみところ、社会主義の国のほうが平等ではない、思想や発言の自由や権利もないという厳しい現状を見せつけられ、大きな誤解を持っていたことに気付きました。

現地人のサポートがなく、外国人が単独で社会主義の国で暮らすというのは、思いのほか大変なのです。



ちなみに、現地の友達の中に家族が頑張った甲斐あって
金色の証明書がついた土地に定住している人がいました。

やはりそこの家族・親戚はほとんどが警察や軍の関係者です。

具体的な数字で敷地の広大さを表現することは難しいのですが、

その人の家まで行って庭でバーベキューをやったときに、
材料や調味料が足らなくなったからと言って、オートバイで取りに行ったくらい大きな敷地で、端から端がどこにあるのか見えないくらい広大な敷地のお宅に行ったことがありました。

おかしいくらい?裕福な家庭に驚くと共に
世界中、どこで暮らしても皆が平等な場所なんて無いんだなということを知りました。


今日はこの辺で

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