肉が行って魚が来る  ຊີ້ນໄປ ປາມາ

紆余曲折の人生をストレートに表現しています。

28歳のとき 子供が生まれた日 

今からおよそ12年前、待望の第一子が生まれました。
体重は3,472gあったので平均よりもだいぶ大きいと言われました。

3月に生まれてくるように子作りをしようと夫婦で話し合い、
妊娠が発覚して産婦人科で言われた通りの予定日でした。

この投稿で言いたいのは、奥さんが出産のとき、男にできることなんて小さなもの。たとえ何もできなくてもそばに居てあげることが一番だということ、

立ち会い出産を経験して良かったのは、子供が生まれてくる瞬間を見られたこと

ただし、壮絶に苦しむ姿を目の当たりにしてしまったことで、
その後は二度と夫婦生活が持てなかったことも正直に挙げておきます。




出産予定日が近づくにつれて、前駆陣痛といってお腹が張るようになり、
痛みの波が徐々に小刻みになっていったと言っていました。

当時の私は営業職として、外に出る仕事をしていたのですが、その日はたまたま土曜日の休みと重なったので自分が立ち会う準備ができたのでその辺は助かったのを覚えています。

病院側の裁量で、出産に立ち会っても良いことやへその緒を切るだけならお父さんがやってもいいですよということを事前に言われていたので、自分はそのつもりでいました。

出産前日は仕事を早く切り上げさせてもらって夕方に帰宅したのですが
その時すでに奥さんは部屋の中でお腹が痛いとのたうち回っていました。

男の立場ではその痛みについては理解できず、ただうろたえるだけ。

本人があまりにも苦しむので私が見かねてかかりつけである総合病院の産婦人科に連絡。

看護師さんはとても冷静な対応でした。
「まず、救急車を呼ぶほどではありません。ご主人は落ち着いてください。奥様本人に電話を代わっていただいてもいいですか?」と言われて本人に電話を渡したのですが、あまりにも痛いのか、言葉にならないような説明を繰り返していました。

先に看護師さんに話を通しておき、とりあえず入院道具一式を車に積んで本人を乗せて総合病院まで向かいました。

運転中にちょっとした段差を乗り越えただけでも「痛い!やめて!!」と叫ぶわ、
信号待ちで停車したときも「止まらないで どこかの抜け道を走って」などと色々と言われまくりました。

それでも、安全運転を心掛けて病院に到着。

あまりにも辛くて自力で歩くことさえ困難だったので、車いすを借りて指定された診察室まで行きました。

あとは看護師さんにお願いし、自分は診察室外の待合で待つことに。

内診の結果は「まだ子宮口が開いていないのと陣痛の間隔もまだなので、一旦帰宅してから出直してください」とのこと。

でも、本人は痛いと言って苦しんでいるしなぁ、困ったなぁと思いました。

私:「本人は痛がっていますけど、大丈夫なんですか?」

看護師さん:「本当の出産間近なら、この程度では済まないと思います。実際はもっと大きな痛みを感じるはずです。だから安心して帰宅してください。」

私:「はぁ、そうですか」ということで車で走ってきた道を戻って帰宅。

でも、やはり本人は相当な痛みで苦しんでいたので、目の前でそれを見ているのは辛かったです。

家でもずっと苦しんでおり、腰をさすってほしいと言われて自分も寝食を忘れて一晩中ずっと腰をさすっていました。

出産予定日の朝になり、いよいよ病院へ。

あの日の天気は一日中曇り空だったなぁ。

いきなり分娩台ではなく まずは前室という部屋に通されました。
奥さんがこの部屋にいるとき、自分は待合にいるように指示されていました。

他にも数人、同じように痛みで苦しむ妊婦さんが駆け込んできたり、そばに居る旦那さんはうろたえているなど、どこの夫婦もあまり変わらないなと思いながら様子を見守っていました。

それでも何時間か経過し、自分が外で待たされている間に奥さんは分娩室に移動したようです。

事前に本を読んで調べてあったことで、本人はフリースタイル出産にこだわりを持ち四つん這いの姿勢を強く希望していたようです。

実際はあまりにも激しい痛みと苦しさのためにその決断はすぐに撤回し、通常通り分娩台でのスタイルに変更となりました。

立ち会い出産ということで事前に話を通してあり、自分も分娩室に入っても良いと言われ奥さんの目の前に通されましたが、本人は苦しみの表情でずっとうなっていました。

主治医はベテラン産婦人科医でしたが、分娩室では監督指導の下で若い女医さんが奥さんについてくれていました。

女医さんが言いました。
Dr :「陣痛促進剤という薬剤があって、それを点滴で入れてやることで子宮の収縮を促して時間を早めることができます。ご主人はどう思いますか?」

私:「事故の話を聞いたことがありますので、薬剤を使うことには反対します。」

奥さん:「苦しい・・・もうどうでもいいから」

私:「促進剤のこと、お前も反対だって言っていたじゃん」

奥さん:「この際、どうでもいい」

私:「もしも使わなかった場合、この先どのくらいの時間がかかるとか分かりそうなものですか?」

Dr :「子宮口がもっと開けば早いんですけどねぇ、このまま使わない状態だと夜になりますね。これは病院側の課題でもあるのですが、夜は医師・助産師・看護師などのスタッフの数が減ってしまう時間帯があります。手厚いフォロー体制を考えるなら、今のうちに薬剤を入れた方がより良いです。」

私:「じゃ、今すぐに陣痛促進剤をお願いします」と即決。


こんな流れで点滴が入りました。

しばらく待っていても破水しなかったので、医療的な処置として器具を使い意図的に破水させて待つことにしました。

このとき、すごいなと思ったのは、
女医さんがこちらの奥さんの処置をしている間は両手を使っていたのですが、
外線電話の受話器を看護師さんに持たせて、他の妊婦さんからのSOSの電話にも平然とした顔で同時に対応していました^^;

こちらは薬剤が効いてきたのか、徐々に生まれてくる時間が近づいてきました。

少しずつではあるものの、頭のてっぺんと髪の毛が見えてきました。

この間、私は声をかけたり手を握ったり身体をさすることぐらいしかできませんでした。

どのくらい待ったでしょうか。

冷静に様子を観察していた助産師さんが言いました。

助産師さん:「あっ、胎便が出ています」

Dr :「吸引分娩に切り替えます。すぐに道具の準備を」と周囲にいた助産師さんたちが一斉に動き出します。

助産師さん:「ご主人、最初はへその緒を切るという話で立ち会いしてもらっていますが、吸引分娩に切り替えるため、その処置はこちらで行うことになりました。そして、少し場所を移動してもらってずっと奥さんの顔の横あたりで座っていてください。」

私:「いいですよ」ということで場所を移動。

助産師さん:「胎便が外に出てきたということは、もしも赤ちゃんがそれを飲みこんでしまうと喉に詰まらせて呼吸困難に陥る可能性があります。ですので、医療が介入します。一刻も早く吸引して赤ちゃんを外に出して取り上げることが必要になります。吸引すると頭の形が一時的に変形しますが、時間が経てば元に戻りますので」

私:「分かりました」

主治医が吸引分娩を指示してから、分娩室はいつの間にかかなり大勢のスタッフの方たちが行き来するようになっていました。

私は奥さんにも子供にもどちらも頑張ってくれ、無事でいてくれと願うばかり。

このとき奥さんの会陰部が切開され「キャー!痛い!」という断末魔の叫びが聞こえました。

助産師さん :「裂けてしまう可能性があるので、先に切開しました。裂けてしまうと後が大変です。切開してから縫合する方が良いので」

私:「はぁ、そうですか・・・」

主治医によって吸引器具のスタンバイが完了し、女医さんや助産師さんのサポートで奥さんがいきみ始めて

何回かリズムを整えた結果、無事に赤ちゃんが生まれました。

出生時刻は夕方ですが、逆算すると分娩室に入ったのが朝だったので9時間くらいはうなっていたと記憶しています。

医療的な処置が済み、赤ちゃんの安全が確認されてから
この腕に子供を抱かせてもらいました。

四肢はしっかりしているか、手や足の指はちゃんとあるか数えました。

安心したと同時に感動で涙が出てきました。

人目もはばからず分娩室で泣きました。

子供を抱いたとき色々な思いが交錯しました。

「俺が生まれたとき、両親もこうやって抱いてくれたのだろうか」

「元気な姿で生まれてきてくれてありがとう」

「今までの人生、何回かは死にたいなと思ったことがあったけど、こうやって子供が生まれてきてくれて、初めて生きてて良かったと思ったよ」

あれから12年ほど経過していますが、あのときの感動は今でも色あせることはありません。

子供が生まれたあの日、母子ともに無事であったことを確認してほっとしました。


ただし、後産といって胎盤が排出されたのを見たときは、あまりのグロさで吐きそうになりました。

自分も夜通し起きていて緊張しており、それまでの疲労感や生まれた後の安心感で脱力していたので、倒れそうになってしまいました。

奥さんが産後の処置を受けているときに思いのほか出血量が多かったので、それを見たときにちょっと頭がクラッとしました。

自分の中では、子供が無事に生まれたのを確認してそれで完結していたのです。

まさか胎盤があのような見た目をしているとは・・・おぇぇという感じになってしまいました。

子供が生まれた日は、それまでの人生の中で最良の日となりました。

この日は、双方の母親と自分の3人で外食しに行き、軽い世間話をしてから帰宅しました。


今日はこの辺で


広告を非表示にする