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 肉が行って魚が来る  ຊີ້ນໄປ ປາມາ

紆余曲折の人生をストレートに表現しています。

22歳のとき 東京都内の駆け込み寺 2 俗世間から離れてみた感想

およそ2か月半ほどお寺で暮らしてみた感想を綴ります。

ここで書く内容はあくまで私個人の勝手な主観に基づくものです。
その旨、ご了承いただければ幸いです。

先に結論から言うと、
ほんの一時期、お寺で暮らすならいいけど、一生涯暮らす場所ではない。
人生の駆け込み寺なので、緊急時の避難場所としては良いと思うものの、
単なる食う寝る場所で利用しようと思ったり、
営利目的としたビジネスとして人が集う場所を利用するのは控えた方がいいということ。

本物の求道者たちに失礼だからです。

一生居てもいいと言われましたが、自分は2か月半で元の生活に戻ることを決めました。

以下、本題となります。


まずは、お寺での生活サイクルについて振り返ります。

表の寺、裏の寺それぞれで色々な行事があったので多少の変動はしたものの
基本的にはこのような流れで生活をしていました。

AM5:00 起床

AM6:00~8:00  表の寺の本堂で朝の勤行

AM8:00~9:00 境内や各部屋、生活の共用場所の清掃

AM9:00 朝食 

AM10:00  住職の法話を聴く、又は専門用語を用いて仏教的なことについての話し合い、

      書道や他の課題 等

PM13:00 昼食

PM14:00   修行僧の方から指示された簡単な仕事や買い物等

※ 日によって課題や仕事の内容は変動します。

PM18:00~19:30 裏の寺の本堂で晩の勤行

PM20:30   夕食 

PM21:30 入浴 

以後、自由時間

PM23:00 消灯


良かったこと

  • 修行僧の中に女性が数名おられて、その方たちが作る食事がとても美味しかったこと。

  • 囲炉裏を囲んで大勢で食事をする機会は初めてだったので、楽しく会話をしながら食事をするのはこんなに楽しいことなんだと感動した。

  • 時々、檀家の方から食材やお酒などの差し入れがあり、それを美味しくいただくことができた。肉やお酒は自由だったのが意外だなと思った。

    食べる話ばっかりじゃねぇかよ

  • 自分の他にも俗世間から離れたくて本格的にお寺の道に入った修行僧の方が居たので、話を通してお互いに悩み相談をし合うことができた。

  • お寺で暮らす方たちは、朝の時間や空気をすごく大切にするので、良い習慣だなと感じた。


大変だったこと

  • 朝晩の勤行のときは、正座をするので足がしびれてしまってなかなか慣れなかった。

  • 現代版の駆け込み寺を標榜しながら、基本的には念仏を唱えるための人生道場という位置づけなので、勤行のときに南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)という言葉だけをひたすら繰り返し唱える時間はきつかった。

  • 般若心経を唱えていたが、色即是空(しきそくぜくう)の意味を理解することは難しかった。

  • 現代語訳がなく、難解な言葉を唱和することに何の意味があるのだろうかと考えてしまった。
  • 定期的にある念仏会は、何時間も終わることなくひたすら南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)と唱えるだけの時間があった。

  • 時々、断食道場があるのでそういうときは一日におにぎり一個だけ、あとは野菜ジュースを飲むだけのような修行が何日間かあった。そのときもひたすら時間無制限の念仏三昧。
  • 書道の時間は市販の墨汁を使うのではなく、固形墨(こけいぼく)の状態から水を足しながら墨をすっていたが、、自分のように感情の乱れが大きい人間は、カタカタと音が出てしまうのでそれを何回も住職から叱られたこと。
    感情の平定を保つことができる人は、墨をするのが上手で余計な音が出ないことを教わったが、なかなかできなかった。

  • 修行をする場なので、皆で討論みたいなものをしているのは分かるが、仏教の専門用語が難解すぎて全く理解することができず、発言すらできなかった。

  • もしもお金を払っていれば「お客さん」という扱いになるのですが、生活費や報酬などは一切払わなくてもいいということで受け入れていただいていたので、日常のあらゆる場面では容赦なく厳しい言葉で叱られたり、注意を受けることが多かった。

  • 住職の教えは「起きる物事は抵抗せずに何でも受け入れなさい。とことん愚かになりなさい」というもの。この教えは世間から隔離されたお寺で暮らしているならそれでもいいけど、これは日常の社会生活ではとても応用できないなと、自分なりに解釈。

    例1) 上司が「この能無しめ!やめちまえ」と怒鳴ったら
    「はい、私は能無しです。やめますね」とはなかなか言えないと思いましたし、

    例2) もしも、自分に恋人が居たとして、彼女を親友に取られたら
    「はい、どうぞどうぞ持っていってください。お好きになさってください」とは言えないなと思いました。

    ここでの教えは日常では生かすことができない、要するに地面に足の着いた信仰とは違うなと自分なりに解釈しました。

  • 色欲を抑えるのも修行と言われました。自分はティッシュの時間を確保しようとお寺の中で一人きりになる場所や時間を探して狙っていましたが、できなかったこと。
    ますます欲求不満が溜まるだけです。
    ※ 22歳の男性がティッシュの時間を我慢させられるのはなかなかキツイと思います。

  • 住職から度々指摘されたのは、
    貪瞋癡(とんじんち)という難しい言葉を挙げ、
    瞋(じん)という怒りの感情に支配されているので、
    それを治したほうがいいということ。

    言葉で分かっても、実践するのは難しかったです。


出会って良かった人

  • お寺の住職や修行僧の皆さん、檀家の皆さんや行事のときに様々な人が訪ねてくるのでそういった方たちと話をするのは本当に楽しく、勉強になった。

  • 印象に残っているのは、そば職人の方が軽の1BOXにそば打ちの道具一式を積んで、わざわざお寺まで来て下さったこと。目の前でそば粉をひいたものを打っていただき、それを茹でたものを食べさせていただいたこと。そのそば職人は熊本出身で旅を兼ねて日本全国の色々な場所を回っていたらしく、長野県でとれたてのそば粉を調達してから東京まで来てくださったとのこと。人を感動させることや喜ばせることも大好きだと言っていて、食事が済んでからはウクレレを弾きながら歌を歌って皆を楽しませるなど、それまでの人生には無かった体験をすることができた。

  • 隅田川に集まるホームレスを支援する団体の方が来たことがあって、その方から聞かされた話が衝撃的。

    世の中、人それぞれ色んな事情があるのかも知れないけど、もしもホームレスになってしまったらその後の人生はどうなるのか?

    ホームレスは上下の序列がかなり厳しい世界のようで、その序列の中で上の者に気に入られて可愛がってもらえれば、比較的一般社会に近い場所で生活をすることができたり、飲食店が捨てたような食べ物の残り物をできるだけ早く?美味しく?獲得することができるらしい。
    序列が下の者はどこかのゴミ捨て場から拾ってきたガラクタを転売してお金にし、お金をそのまま渡すか、何かを買って上の者にプレゼントして可愛がってもらうようにするような努力が必要なんだとか・・・

    もしも、序列の上の者から嫌われたり、その世界からはみ出たりすると、美味しい物を捨てるようなお店から遠くに追いやられてしまったり、仲間外れにされて過酷な場所に追い込まれることがあったり、暴行されたり、悲惨な目に遭わされるそう。

    ホームレスの世界から弾かれると文字通り、野垂れ死になつながるので、
    援助団体の方もそういうことにならないように見回りをするのが大変だったということ、

    寒い時期、支援団体や募金など皆でお金を出し合って公園などで炊き出しをやると、

    「ちえっ!今日はいつもより少ねぇじゃねぇか、もっとくれよ!」と
    怒鳴る人が度々いるそうです。

    もしも、これを聞いて怒りだすような人はホームレスの支援には向いていないということを言われました。

    自分はそれを聞いて「えぇぇ~」と思いました。
    世の中の違った一面を知ることができて良い機会になりました。


あまり良くなかったなという方との出会い

  • 住職の許可を得て、裏のお寺の本堂で講演会をやっていたインチキヒーラーみたいな人がいたのですが、講演会に集まってきた一般の方と知り合いになり、遠隔ヒーリングを施術したり、実際にセラピールームみたいなところまで呼んで、気功のようなものをやって、法外な治療費を払わされたとかでトラブルを起こしていた人がいました。
    結局は苦情を受けた住職が何か対処をしたのだと思います。

  • 度々、お寺でワークショップのような体験講座が催されるときがあったのですが、そういうイベントを単なる商売道具にしか思っていないような人が来たこと。

  • ビジネスのような営利目的で物の販売をしたければ、お寺の外でやるべき。

  • 東京で長く暮らしている人って、性格がキツイ人が多い?言葉や動作が乱暴な人が多い、心があまりないのかなという人もよく来て、ソリが合わなくて険悪な空気になったことがありました。


たった2か月半でしたが、お寺で暮らしてみてこのような感想を抱き、
浄土宗という宗派に所属する求道者たちとの出会いは、
今でも忘れられない貴重な人生経験になりました。

今日はこの辺で。

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