読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

 肉が行って魚が来る  ຊີ້ນໄປ ປາມາ

ラオス語の文書を日本語に翻訳する仕事を承っております。ラオスに辿り着いて翻訳者になるまでの人生の軌跡も綴っています。

(続) 19歳のとき 電気工事業の会社に就職 1 若いというだけで何もさせてもらえない

人生の軌跡

時間の流れを簡単に説明すると・・・

高校卒業後の4月、新聞販売店に就職

同じ年の8月に退職

同じ年の9月~翌年3月まで アルバイト

3月から電気工事業の会社に就職

アルバイトの傍ら、平日は職業安定所に通って仕事を探す生活を送っていました。

正社員としてどんな仕事ができるのだろうか?と考えたときに
自分は工業高校で電気に関する分野を学んでいたので、それを生かす方向で求人票をよく読んでいました。

社長夫婦が個人経営をしていて、従業員は総勢5名という電気工事会社に興味を持ちました。

求人票に書かれた応募資格は、

  • 高校卒以上
  • 未経験者歓迎
  • 要普通免許

この3点だけでしたので、「おぉ、クリアしてる」と思ったからです。

会社からのメッセージ:来たれ若人たちよ!会社と共に成長していこう。
未経験の方でも歓迎します。ゼロからきちんと指導します。

このメッセージに魅力を感じ、職業安定所を通して応募し、面接を経て採用が決まり、
働くことになりました。

面接の席で社長と奥さんからは「未経験でも、ちゃんと教えるから」と言われ、
「それならば」と入社を決めました。

ところが、不安と希望を感じながら出勤した初日にショックで倒れそうになってしまいました。

確かに朝は皆が「おはようございます」と言いながら事務所に入ってきます。

しかし、それからは誰も何もしゃべらないのです。世間話も何もしていないのです。
電話が鳴って社長の奥さんが電話を取る以外は誰も一言もしゃべらないのです。

「うわぁ、何だこれ?お通夜かよ・・・」(←心の声)

「これは自分から挨拶しなきゃいけない」と思って、自己紹介しようとしたら、
社長が「余計なことはしなくていい。黙ってろ」と言うのです。

「えぇ!?何この人たち??挨拶くらいきちんとさせてよ」(←心の声)

たぶん、社長からは皆さんに先に言ってあったのだと思うことにしました。

勤務初日はMさん 28歳 (当時で電工8年経験者)と一緒に現場に行くように指示をされました。

電気工事の仕事は、事務所にいるときに図面を確認し材料や工具など準備して工事車両に積んでから、現場に向かうわけですが、

Mさんは寡黙な性格なのか?偏屈者なのか?
事務所にいるときから一言もしゃべらないのです。

というか、本当に他の従業員を見ても、何も言葉を発しないような異様な職場でした・・・。

一般的な屋内配線で頻繁に使われる材料の中に、V V Fケーブルの1.6mm×2芯という電線があるのですが、

(一束100mの輪になっていて、重さが10kgくらいあるもの)

Mさんはくわえ煙草のまま、無言でその束を二つ掴んでこちらに向かって投げつけてきたのです。

自分はそれをあわててキャッチして、工事車両に積みました。

「何コイツ、危ねぇじゃねぇか・・・」(←心の声)

まぁ、自分は下っ端だし気を取り直して仕事を覚えようということで
Mさんに向かって「今日行く現場の図面を見せていただいてもいいですか?」と言うと、

無視されました(゚Д゚;)

その後も、無言で他の材料を投げつけてきては、
こちらが意地でキャッチして車に載せるを繰り返し、

私が工事車両を運転して現場に向かいました。

道中の車内はもちろん、無言です。

現場に行くための地図をチラチラと見ながら、自分で運転していきました。

Mさんとペアを組み、現場に着いて打ち合わせをするときは、
大工さんとは必要最低限の会話はするものの、
彼はこちらに対しては一切無視、何もしゃべらないという姿勢でした。

Mさんはくわえ煙草で作業。
仕事中は一切しゃべりません。指示も命令も何もせずに無言のまま。

こちらは、Mさんの動きを見ながらゴミを拾ったり、
図面をチラ見する程度しかできません。

「何だコイツ・・・」(←心の声)

なんとかその日一日の仕事が終わって、会社に戻りました。

Mさんは煙草が好きで常に吸っていたので、
こちらの髪の毛や作業服、持ち物にも煙草の匂いが移ってしまいましたけど・・・。

会社に戻ってから、社長と顔を合わせたので、
すぐにその日一日あったことを話したのですが、

社長:「職人の世界とは、そういうもの。いちいち教わろうだなんて甘えてんじゃねぇ。目で見て技を盗め。Mはそういう考えでやっている」

「おぃ!求人票に書かれたメッセージは何だったんだよ!あれは嘘を書いたのか??」
(↑心の声)

私:「社長、面接のときは未経験でもちゃんと教えるからねと聞きましたが・・・」

社長:「お前、あんなのを本気にしているのか?職人の世界はそんな甘くないんだ」

私:Σ(゚д゚lll)ガーン

若いというだけで、何も発言できない・話を聞いてもらえないことに対し、
ショックで倒れそうになってしまいました。

かといって、短気を起こして「じゃ、辞めてやらぁー!!」と言うことはできませんでした。

仕事初日でそんなことを言って辞めてきただなんて言ったら、また家で父親から

「バカめ」と言われることが目に見えていたからです。

その日は、「お疲れさまでした。お先に失礼します。」と言って
悔しさを噛みしめがら、静かに帰宅しました。

次の日から、その会社では朝「おはようございます」を言い、
二言目は夕方に「お疲れ様でした。お先に失礼します。」という

この二言だけしか話さない日々が始まったのです。


今日はこの辺で。

広告を非表示にする