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 肉が行って魚が来る  ຊີ້ນໄປ ປາມາ

ラオス語の文書を日本語に翻訳する仕事を承っております。ラオスに辿り着いて翻訳者になるまでの人生の軌跡も綴っています。

(続) 高校卒業後 19歳のとき新聞配達の仕事で蟻地獄にはまる 5

人生の軌跡

通信制高校を卒業後、正社員で各種保険完備ということで就職した新聞販売店では、
突然の病に倒れてしまった先代の社長から、経営を引き継ぐことになった息子さん夫婦と
従業員との間で様々な問題が起きていました。

自分は大きな問題が起きていることについては、
全く知らない状態で入社してしまいました。

蟻地獄にはまってもがき苦しむような毎日で、

朝刊配達に来ているパートさん達と経営者側の間で、
板ばさみになり心身ともに疲労を感じてしまい、
ストレスのために胃潰瘍のような症状になり、
胃酸が逆流してくるとか吐き気がおさまらないといった
状態になりました。

「病院にかかりたいので、健康保険証が欲しいのですが」と社長に相談するも、
「まだ待ってて」などとはぐらかされたことが二回あり、

入社して3カ月が経過し、毎月の給料から各種保険料が天引きされているのに、
実際は保険の手続きが全くされていないことを不審に思い、
社会保険労務士の事務所に電話をかけたら
「あなたは月給制のアルバイトという扱いになっていて、
保険関係は何もしなくて良いと御社の社長から指示されている」


こう言われたことで、経営者夫婦のことが信用できなくなっていました。

自分の入社後に退職してしまったIさん宅にも電話をかけて、
悩み相談にのっていただくなどしましたが、

経営者夫婦とはいくら話し合っても理解し合うことは難しいと判断し、
刺し違える覚悟で対決することを決めました。

普段の業務については、問題が無いようにきちんとこなしてから、
社長夫婦とは改めて話し合いがしたいということで、
面談の日時を設定してもらいました。

以下、本題となります。

私:「健康保険証や各種保険のこと、どういう扱いになっていますか?」

社長:「お前、社会保険労務士さんの事務所へ勝手に電話をかけたそうじゃないか。」

私:「入社のときに交わした契約書には私の身分は正社員と書かれているし、入社後各種保険に加入とあります。給料明細を見ると確かに保険料が天引きされていることは分かりますよね?社労士さんには私のことは月給制のアルバイトなので、保険関係は何も手続きをしなくて良いと指示したのはなぜですか?正社員だと言って採用しておいて、実際はアルバイトなので保険は何もしなくていいだなんて、そもそも話の整合性がおかしくないですか?」

社長:「後から手続きするつもりだったんだよ。」

私:「それでは、月給制のアルバイトっていうのはどこから出てきた話ですか?少なくとも社長は私に対して正社員としての仕事を頑張って欲しいと言われていましたよね?私はそれに応えるように働いてきたつもりです。そもそも月給制のアルバイトだなんてどこにも書かれていませんし、私は聞いたこともないのですが・・・私が見た求人広告でも正社員募集・各種保険完備と大きく書かれています。それを見て応募の電話をかけて面接して、書面まで交わしたわけで。」

社長:「だから、今まではやってなかったんだ。今度からきちんと正社員の手続きをすればいいんだろ?」

私:「今までのことを考えると、最初に書面として残した内容すら守っていただいてないですよね?各家庭に配った求人広告の内容が今と違っています。人をおびきよせるためのエサだったのでしょうか。」

社長:「お前の目的は何だ?」

私:「まず、入社後の毎月の給料から健康保険や各種保険料としていくらか天引きされていたのに、実際は何も手続きをしていなかったわけですよね?その引いた分のお金はどういう扱いになっているんですか?」

社長:「・・・・沈黙」

私:「言えないのですか?」

社長:「・・・・分かった。その分はきちんと精算してボーナスに上乗せする。」

私:「ボーナスですか?先日、退職していったIさんは社長が世代交代されてから、一回のボーナスで支給された金額は手取りでわずか5万円だと言っていました。同僚のM君なんてボーナスが3万円じゃないですか。IさんとM君は二人とも社員で、先代の社長のときはもっと多くもらえていたのに、社長が世代交代してからボーナスが減ったと言っていました。まさか私のボーナスも手取りで5万円だけ払うように考えていたのではないですか?Iさんは新聞配達のお仕事では10年以上のキャリアがあるベテランの方でした。奥さんやお子さんをお持ちの方が新聞販売店で正社員をやってボーナスが5万円だけって考えものですが。M君の3万円もどうかと思います。」

社長:「会社の経営が苦しいんだよ。」

私:「じゃ、私のボーナスは、最大でも5万円ってことですよね?それを上回る額は期待できませんよね?」

社長:「わがまま言うんじゃない。出るだけマシだと思ってもらわないと」

私:「やっぱりそれだと最初からの話がおかしいですよ。今この話をしている時点では、私の身分は何ですか?正社員ですか?それともアルバイトですか?」

社長:「今まで真面目に黙って働いていたお前が、まさか反抗するとは思わなかった。経営者に向かってこんな態度を取るなど正社員じゃないな。身分は月給制のアルバイトだ。」

私:「社長ならそのように言うと思っていました。なので、今から退職願を提出します。先に準備しておきました。はい、どうぞ。」

社長:「ちょっと待て。今まで育ててやったのに、その態度は何だ?」

私:「保険関係をきちんとやらない人が何を言っても説得力がありません。天引きした保険料の行き先が言えないのもどうかと思います。育ててやっただなんてどこをどう見て言われているのか・・・・こちらは騙されたとしか言いようがないのですが。」

社長:「まさか突然辞めるのか、お前?それじゃスジが通らないぞ」

私:「退職日は空欄にしてあります。今、社長が言われたように自分の身分はアルバイトということですので、法律的には二週間前に言えばいいとあります。今までお世話になった分を考えて、退職日は一ヶ月後の○月○日で書きこんでおきますね。」

社長:「そんな話、急すぎる。自分勝手じゃないか。」

私:「正社員だと言って採用しておきながら、実際は何も手続きをしていなかった人はどこの誰ですか?」

社長:「・・・・。」

私:「もう何を話しても理解し合うことはできませんね。なので、もう一つ社長に渡しておきたいものがあるんです。」

社長:「何だ?」

私:「私の家で取っている新聞を解約します。これは私が家族と話し合った結論です。解約の書類にはすでに印鑑を押して中身も全て記入してあるので、それも置いていきますね。」

社長:「・・・・。」

私:「他の従業員さん達には、自分が一ヶ月後に辞めることだけお話してください。退職する日までは今まで通り真面目に働きます。社長から皆の前でお話されたほうがいいと思います。自分はもう何も言うことはありません。」

社長:「退職を考え直す気はない?新聞も本当に解約するのか?」

私:「退職します。社長は従業員を一人失っただけでなく、新聞の購読者も失ったということです。」


こんなやり取りを経て、私は高校を卒業してせっかく入った新聞店の仕事をやめることに至りました。

正社員だと言われて、書面まで交わしたのに、実際は単なるアルバイトの扱いで馬車馬のように働かされていたとは、悔しくて仕方がありませんでした。

額に汗して頑張り、胃潰瘍のような症状に襲われながらも、パートさん達の話を聞いてお休みした人達の代わりに配達に行ったり、営業活動に行って契約を取ってきたり、全ての配達コースやお客さんを覚えてきたのは何だったのだろう・・・自分は騙されて、プライドを傷つけられたと感じました。


このころ、大学に進学していった多くの同級生たちは、一人暮らしに慣れた時期で勉強やサークル活動、飲み会などさわやかなキャンパスライフを送っていたであろう時期に・・・・

自分はこんな場所で蟻地獄に落ちそうになって必死にもがいていたとは・・・。


長くなったので今日はこの辺で。

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